2022年06月29日
みなさんこんにちは。
屋根修理の匠、やねっとの加藤です。
6月19日、20日と続けて石川県で強い地震がありました。
その後も余震が続いています。
地震のときに気掛かりなのが屋根瓦。
今回は、地震で落ちてくる瓦についてお話しします。
大きな地震が発生したとき、屋根瓦が落ちてしまった家の映像を見ることがあります。
主な要因は、瓦を下地に留め付けていない旧来の工法により施工したためです。
旧来の構法は、土や針金状の結束線を使用していますが、下地へ緊結しておらず脱落しやすい仕様といえます。
出典:国土交通省国土技術総合研究所
また、伝統建築物に多く見られる「土葺き」と呼ばれる工法では、
屋根と瓦を葺土だけで繋ぎ止めています。
これは、地震が起きたときに瓦を落として建物を軽くし、
家自体が倒れないようにするという先人たちの工夫でした。
しかし阪神大震災以降は建築基準法が変わり、「瓦が落ちてはいけない」ことになりました。
現在は、全日本瓦工事業連盟が定めた「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」による施行が推奨されています。
棟部をボルトや金具など使用して、下地に強固に緊結しているため、地震時や台風時に脱落・飛散しにくい仕様です。
出典:国土交通省国土技術総合研究所
屋根の最上部あたりで使われる短い「半端瓦」や、谷部や隅棟などで使われる三角形の「勝手瓦」も留め付けます。
出典:国土交通省国土技術総合研究所
「瓦屋根は重いから揺れに弱い」と思われがちですが、
家が倒れる原因は、屋根の重さではなく
柱や梁や筋交いの量とバランスといった
構造躯体の問題です!
現代の住宅設計には、構造計算が義務付けされており、屋根材に合わせた構造になっています。
耐用年数や美観にこだわった屋根選びをしても、地震に対する強度は変わらないと思っていいでしょう。
『広島の屋根を守る屋根修理の匠』
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加藤
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