2022年09月16日
みなさんこんにちは。
屋根修理の匠、やねっとの加藤です。
築城400年の福山城が大改修を終えて、8月28日にリニューアルオープン。
天守の外壁に全国唯一といわれる「鉄板張り」を復元したことでも話題となりました。
広島では今、広島城の復元を木造建築で行おうという動きが見られます。
実は近年増えつつあるのが、「大型の建築物を木造で」という取り組み。
今週は木造建築のトレンドについてお話しします。
ことし6月、横浜市に11階建ての木造高層ビル「Port Plus(ポートプラス)」が建てられました。
純木造の耐火建築物としては国内最高の高さ(44メートル)を誇ります。
遡ること1年、東京オリンピックのメインスタジアム「国立競技場」では、軒庇(のきびさし)や大屋根などに
軒庇には、全国47都道府県から調達した⽊材が使われました。
内外装はもちろん、構造材でも⽊材と鉄⾻を組み合わせた「ハイブリッド部材」を採⽤し、「杜のスタジアム」とも呼ばれています。
木造建築は「費用が安い」「間取りの自由度が高い」「調湿効果がある」などのメリットがある反面、
「耐久性・耐震性が低い」「火に弱い」「シロアリ等の害虫に弱い」などのデメリットがあるといわれています。
これまでは住宅を中心とした小型・低層建築物に多く採用されてきた木造建築ですが、
大型の建築物が増えてきた背景には、何があるのでしょうか。
戦後に植林された木の効率的な消費のために、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2010年に公布・施行されました。
その結果、自治体の庁舎や学校、体育館、図書館などの「低層の公共建築物」で木造建築が増えました。
さらに、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が昨年10月に施行され、
木材利用を促進する対象が民間建築物にまで拡大しました。
政府が「2050年のカーボンニュートラル」を目指すと表明したことも、大きく影響しています。
国立競技場と同様に木材を構造材として部分的に活用する、高層ハイブリッド木造建築も増えています。
札幌では高さ46メートルのホテルが、東京・銀座では60メートルの商業ビル、東京・神田では48メートルの分譲マンションと
2021年だけでもさまざまな業態にハイブリッドが普及。
輸入木材価格が高騰し、さらに円安が追い討ちをかけて値上がりする「ウッドショック」を経て、
植林と伐採のサイクルで森林の循環を促す木造建築は、持続可能型社会を実現する上でとても大きな力になるでしょう。
今後も注目していきたいですね。
『広島の屋根を守る屋根修理の匠』
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加藤
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